人体のミネラルの種類
近年30年間の検査機器の目覚しい発展により微量元素の分析がきわめて進歩し、人間の生体は約54種類もの多数の元素で成り立っていることがわかってきました。量的な関係は下の表のとおり4種類の元素で約96.7%を占めていることが分かっています。
したがって残りの3.3%を50種類という多数の微量元素で占めているのです。しかし、以前の栄養学や医学は、これらの微量ミネラルにあまり関知せずに過ごしてきましたが、わずか0.2gの毛髪で、主な26のミネラル値が簡単に迅速に測定できるようになり、医学的にも多くの健康障害や病気とミネラルの因果関係が解明されてきました。
| O | 酸素 | 61.30% | 96.66% |
| C | 炭素 | 22.80% | |
| H | 水素 | 9.99% | |
| N | 窒素 | 2.57% | |
| Ca | カルシウム | 1.43% | 3.2953% |
| P | リン | 1.11% | |
| S | 硫黄 | 0.20% | |
| Na | ナトリウム | 0.14% | |
| Cl | 塩素 | 0.14% | |
| Mg | マグネシウム | 0.03% | |
| Si | ケイ素 | 0.03% | |
| Fe | 鉄 | 0.006% | |
| F | フッ素 | 0.004% | |
| Zn | 亜鉛 | 0.003% | |
| Rb | ルビジウム | 0.001% | |
| Sr | ストロンチウム | 0.0005% | |
| Br | 臭素 | 0.00003% | |
| Pb | 鉛 | 0.0002% | |
| Cu | 銅 | 0.0001% | |
| その他超微量元素 | 0.0002% | ||
ミネラルバランスの意味するもの
アメリカの元生化学会会長のウイリアム博士は、生命活動を健全に維持してゆくためには、必須アミノ酸(蛋白質)・ミネラル・ビタミンの各栄養素が相互に関連して「生命の鎖(The nutrition Chains of Life)」がバランスよく形成されなければならないとし、これらの栄養素が一つかけても全体の活動力はその不足した栄養素レベルの働きをしないと言ってます。

46栄養素の相関図-「生命の鎖(The nutrition Chains of Life)」
下記表を参考に、ミネラルバランスの維持・管理をこころがけてください。
| 対比ミネラル | 理想値より高いと起こりやすい病気・症状 | |
|---|---|---|
| ナトリウム(Na): カリウム(K) |
気管支ゼンソク、ネフローゼ、疲れやすくなり、筋肉が弱くなる、高血圧 | |
| カリウム(K): 鉄(Fe) |
貧血症(鉄が不足するために起こる) | |
| カルシウム(Ca): マグネシウム(Mg) |
神経症、過敏症、動脈硬化、甲状腺機能低下、関節症、糖尿病、精神障害など | |
| カルシウム(Ca): 鉄(Fe) |
貧血(特にカルシウムをとりすぎ、鉄分が不足するために起こる) | |
| カルシウム(Ca): 銅(Cu) |
貧血、関節症(特に銅が少ない場合に起こる) | |
| カルシウム(Ca): 亜鉛(Zn) |
動脈硬化、糖尿病、前立腺炎、不妊症、インポテンツ、つめに白いスポットができたり、膿炎症が治りにくくなることも | |
| カルシウム(Ca): リン(P) |
※いくらカルシウムの多い食品をとっていても、カルシウムとリンの比を1: 1くらいの割合でとることと、マグネシウムの多い食品やビタミンDをとらなければ、カルシウムは体内に吸収されにくく、骨に定着しません |
|
| 鉄(Fe): 銅(Cu) |
貧血症(銅が不足するために起こる)、血鉄症(赤血球が破壊してヘモジデリン=血鉄素が組織内に沈着する症状) | |
| 銅(Cu): モリブデン(Mo) |
※食物中にモリブデンが高いと、銅の摂取量の少ない場合、銅欠乏症が早くあらわれるようになる、銅の過剰はモリブデンを失う、モリブデンと銅は拮抗する | |
| 亜鉛(Zn): マンガン(Mn) |
低血糖症、糖尿病 | |
| 亜鉛(Zn): 鉄(Fe) |
貧血症(鉄分が不足するために引き起こされる)、栄養吸収障害 | |
| 亜鉛(Zn): 銅(Cu) |
貧血症(銅が不足するか亜鉛をとりすぎるために起こる)、また亜鉛をとりすぎると有毒 | |
| 亜鉛(Zn): セレン(Se) |
※セレンは亜鉛と拮抗する、亜鉛の摂取量が多いとセレン値は、拮抗して低くなる | |
| セレン(Se): 水銀(Hg) |
※セレンは、水銀、カドミウムなど有毒金属による細胞膜破壊を防ぐ | |
| リン(P): アルミニウム(Al) |
腎栓、高リン血症 | |
| 亜鉛(Zn): 鉛(Pb) |
※亜鉛欠乏により鉛の骨への沈着が増大する、亜鉛と鉛は拮抗する | |
| 対比ミネラル | 理想値より低いと起こりやすい病気・症状 | |
|---|---|---|
| ナトリウム(Na): カリウム(K) |
副腎機能不全 | |
| カリウム(K): 鉄(Fe) |
筋肉疲労 | |
| カルシウム(Ca): マグネシウム(Mg) |
筋肉のケイレン、疲労、衰弱、ビタミンD不足、消化不良、骨粗鬆症など | |
| カルシウム(Ca): 鉄(Fe) |
鉄分が多くなると有毒 | |
| カルシウム(Ca): 銅(Cu) |
神経症、変形性障害との関係もある | |
| カルシウム(Ca): 亜鉛(Zn) |
骨粗鬆症、ビタミンD不足(食事で亜鉛分をとりすぎたり、亜鉛を多く含むシャンプー液をふんだんに使用するときなどに起こる) | |
| カルシウム(Ca): リン(P) |
骨や歯がもろくなる、動脈硬化、副甲状腺ホルモンこう進症 | |
| 鉄(Fe): 銅(Cu) |
貧血症(鉄分が不足するために起こる)、栄養吸収障害、精神障害(ピルを服用している人や女性ホルモンによる治療を受けている患者に多い) | |
| 銅(Cu): モリブデン(Mo) |
※食物中にモリブデンが高いと、銅の摂取量の少ない場合、銅欠乏症が早くあらわれるようになる、銅の過剰はモリブデンを失う、モリブデンと銅は拮抗する | |
| 亜鉛(Zn): クロム(Cr) |
呼吸器疾患、特にアレルギー性ゼンソクと関係がある | |
| 亜鉛(Zn): マンガン(Mn) |
動脈硬化、糖尿病、不妊症、インポテンツ、前立腺肥大 | |
| 亜鉛(Zn): 鉄(Fe) |
指のつめに白い点ができたり、傷口がなかなか治らなくなる | |
| 亜鉛(Zn): 銅(Cu) |
変形性履椎症、変形性腰関節症、動脈硬化、低血糖症、糖尿病、精神障害、不妊症、前立腺肥大、傷口が治りにくく、味覚のマヒ | |
| 亜鉛(Zn): セレン(Se) |
※セレンは亜鉛と拮抗する、亜鉛の摂取量が多いとセレン値は、拮抗して低くなる | |
| 亜鉛(Zn): カドミウム(Cd) |
緊張性高血圧、肺気腫 | |
| セレン(Se): 水銀(Hg) |
ガン、心臓病の発生率が高くなる | |
| リン(P): アルミニウム(Al) |
アルミニウム腫症状、血中アルミニウムが腎に沈着、腎性骨異栄養症 | |
| カルシウム(Ca): 鉛(Pb) |
吐き気、めまい、関節症、知能低下(鉛が多いとき) | |
| 亜鉛(Zn): 鉛(Pb) |
※亜鉛欠乏により鉛の骨への沈着が増大する、亜鉛と鉛は拮抗する | |
ミネラルを効果的に取入れるには
人体を健全に維持してゆくのに、ミネラルとビタミンどちらも重要な栄養素です。しかし、ビタミンは有機化合物ですので、人の腸内環境が健全なときには、ある程度必要量を体内で産出することができます。一方、ミネラルは無機質ですので、「食物」、「飲料水」や「サプリメント」など体外から摂取するしか方法がありません。つまり、ミネラルを体外から効果的に摂取することが非常に重要になります。
そして更に気をつけなければならない点は、ミネラルを摂取した時に、咀嚼・消化により、どれだけ効果的に吸収利用されたかという点です。
つまり、十分考慮された食品を摂取しようと努力し、かつミネラル・ビタミンのサプリメントを摂取していても胃腸が悪ければ、毛髪ミネラル検査の結果多くの必須ミネラル欠乏と診断されてしまうのです。実際に35歳以上の人の実に30%もが、せっかく食べた栄養素を正常に吸収していないという報告があります。
摂取された栄養素は、吸収利用されてはじめて、血液によって必要な特定の組織、細胞に運ばれて利用されることになりますので、下の1〜4に気をつけながら摂取しましょう。
- 不適当な胃液の分泌量によって、消化吸収量が妨げられる。
- 不適当な腸の刷子縁組織細胞の働きで吸収が妨げられる。
- 他のミネラルとの相互作用で、拮抗して吸収が妨げられる。
- そのミネラルの不適当な酸化状態が起こって吸収利用されない場合がある。
参考文献:「金属は人体になぜ必要か」桜井弘著(講談社ブルーバックス)
「元素111の新知識」桜井弘編(講談社ブルーバックス)






